WHAT'S AS?

ASとは、フットボールという文化を学問する者。

 ASとは、Analyzing Staffの略で文字通り分析を担当するスタッフとされています。しかし実際に分析をするスタッフとして機能しているチームは少なく、雑務をこなすスタッフとして扱わているケースが多いように感じています。私自身も学生時代にそう感じていた時期がありました。

 今ではほとんどのチームがASというポジションを設けているのにも関わらず、ASが分析のエキスパートとしてフットボール界に影響を及ぼしていないのはどうしてでしょうか。実際に、日本スポーツアナリスト協会で取り上げられている「Pick Up Analyst」※1の20人超のアナリストの中にアメリカンフットボールからの選出はありません。アメフトはチェスマッチに喩えられるほどに知的なスポーツのはずではなかったでしょうか。

 その理由は、ASについて専門的に学ぶ環境がなかったからでしょう。これまでASは、主に先輩や選手から与えられる知識が活用できる範囲で業務を行ってきましたが、本来は選手、コーチに並び、あるいはそれよりも豊富な知識とスキルをもってチームに貢献することがASの役割。しかし日本においてフットボールの知識、ひいては分析業の体系化された知識に触れる機会は多いとは言えません。それではASが知識を得て、スキルを発揮するのが難しいのも無理がないでしょう。

 また、アメフト界のASが注目されない理由がもうひとつあると私は考えています。それはASの役割が純粋なアナリストの枠だけに留まらないからです。分析というのは、数値化されたデータに対する論理的考察のことです。それができるだけでも立派なASですが、実はASにはアナライジングとは違った側面があります。スカウティングです。正確にはスカウティングの中にアナライジングが内包されていると言えますが、スカウティングにはより文系的な解釈能力が必要になります。物事に対するファクトとしてのデータを活用しながらも、対戦相手の考え方や癖、得意不得意を共感し解釈することがスカウティングの目的でもあります。その点で、私はアメリカンフットボールが非常に文化的なスポーツであると考えています。

 そのためには先輩から与えられる「自分たちのアメフト」を知っているだけでは物足りません。フットボールの本質に目を向け、スタンダードを知り、差を測るための基点を得ることでようやく自分たちのアイデンティティを獲得し、対戦相手のスカウティングが成立するのです。​

 SASでは、AをAnalyzing。SをScoutingの頭文字としています。School of Analyzing and Scouting。日本語にするともっぱら「分析偵察学部」といったところでしょうか。私はASを、フットボールという文化を学問する者と定義しています。ここはひとつ、アメフトを多角的で複合的な学問として扱ってみるのはいかがでしょうか。充実した講義と実践的ワークショップで学生がより勝利への貢献を実感できるようになるでしょう。

※1:http://jsaa.org/pick-up-analyst/?paged=1

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