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勝つ価値のある分析スタッフになること。

 競技という特性上、勝利に価値があるのは事実です。私も勝負である限り負けていいとは思っていません。しかし、勝利の価値を盲信しすぎることは学生にとってリスクのあることだと考えています。なぜなら学生の人生はフットボールで完結するわけではないからです。人生は長い。いよいよ人生100年時代なんて言われている中で、4年間の勝敗が何になるというのでしょうか。

 しかし大学生活で得られるものは今後の人生において大きな意味を持ちます。部活動となればなおさらのことでしょう。ひとつの目標に向かって4年間一緒に活動することがどれだけ意味のある経験か。それを勝利への執着と渇望で終わらせるのか、勝利を目指すプロセスを意識的に学びの機会とするかでは大きな差があります。私はどちらかといえば前者の立場の人間でした。その結果、周りの支えを無下にして勝利に向かってひとりで先走り、人間的信用を失いかけたことがありました。そのことを後輩に「人としておかしい」と指摘されて、我が振りを見直したのです。

 どんなスポーツでも同じですが、ことさらアメリカンフットボールには人間的成長を促すフレームワークがたくさん潜んでいます。役割ごとにポジションが細分化されていることや、オフェンスとディフェンスというある種の対立がチームとしてひとつであることは、チームマネージメントに恰好のサンプルですしリーダーシップの重要性を大きく感じることができます。また、分析スタッフの活動では論理的思考が鍛えられるだけでなく、対戦相手を解釈しようとすることで他者への共感能力が育まれます。これこそ人間力と言えるでしょう。

 もちろん、SASでの学びを通してASユニットの能力は格段に上がることでしょう。必要な知識をインプットし、それをアウトプットできるようになるための実践的ワークショップを通して勝利に直結する実力を備えることになります。しかし、そのことが勝利という価値以上に、チームの平衡感覚を正すために機能することを私は期待しています。

 だから私は勝つことと共に、勝つ価値のある人間であることを目指す。勝つ価値のあるユニットなのか。勝つ価値のあるチームなのか。それがSASのヴィジョンです。